注文住宅とはその名の通り、基本的には施主の自由設計による家づくりを指します。さらに注文住宅には、施主が家のあらゆる細部にまで設計に全て関与するフルオーダーと、あらかじめハウスメーカーが一定の仕様を決めており、その範囲内で自由設計が可能なセミオーダーといった、2つの注文方法に分類することが可能です。いずれにしても施主が設計に関与できることが、注文住宅の大きな特徴と言えるでしょう。もちろん自由設計ならではの、魅力的なメリットが沢山あります。
例えば建物全体のデザインやスタイルをはじめ、室内の間取りやインテリア、あるいは水まわりの設備や外構ゾーンのエクステリアに至るまで、家づくりの様々な部分で施主の理想や条件に沿ってプランニングすることが可能です。同時に自分たちの考えが家づくりに反映されるため、満足度の高い住まいを手に入れることも期待できるでしょう。この点、既に建物が完成済みの建売住宅では、デザインや間取り等の変更が難しいのが現実。施主の考えを住まいに反映できる部分は、ごく限られていると言わざるを得ません。
注文住宅でもう1つ見逃せないメリットは、施工が始まってからも、施主が建築現場の様子を一つ一つチェックして、もし問題点があれば考えを伝えやすい点です。建築スタッフにも適度な緊張感が生まれることで、手抜き工事や欠陥住宅のような施工上のリスクを減らすことが期待できます。この点、建売住宅では既に完成してしまっているので、施主が自分の住まいを施工している様子をチェックするのは、事実上は不可能です。完成済みの建売住宅を見学会等でチェックするにしても、あくまでも限られた時間内で見える範囲内なので、注文住宅と比べて手抜き工事や欠陥住宅のリスクは、必然的に高い傾向があると言えるでしょう。